無伴奏ヴァイオリン組曲『無ノ為ノ静寂ノ為ノ光』

津田宗明:無伴奏ヴァイオリン組曲『無ノ為ノ静寂ノ為ノ光』(2015) 

 この作品を作曲したのは2015年です。小金井市を拠点に活動を続けておられる彫刻家・島津京子さん主宰の展示会「Details」第一回記念オープニング・コンサートの為に作曲、初演されました。その後、ヴァイオリニスト・迫田圭氏によって数回取り上げられ、杉並公会堂、カーサ・モーツアルト(原宿)などで演奏されています。

 この作品のインスピレーションとなったのは、島津さん主宰の展示会によって参集した多くの美術大学学生及び彼らの作品と交流です。それは私のとって初めての現代美術の世界との生きた交流であり、私の作風に大きく影響しました。作曲当時、兵庫県立美術館にて彫刻家・船越桂の展示会を鑑賞しがてら、路上で湧いて来る五線紙に書き留めた音楽もこの組曲の楽章を構成しています。また、当時は私が新約聖書に入れ込んでいた時期であり、タイトル中における「光」とはキリストの恵み、「無」は仏教的さとり、その両者を架け橋するのが「静寂」です。全6楽章。